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去就 [小説]

およそ30年前、タイトルの去就という題名の小説を書こうと思った。
電話一本で人生が変わってしまう。そんなやりきれなさやむなしさ
を、諸行無常の真理と人の世の儚さや愚かさをテーマにしようと
思ったのだけれど、書けなかった。

まだ、自分は若すぎて分からないことが多すぎた。それでも、当時は、
国会でも話し合われた大きな問題だった。
渦中の人物は、江川卓さんと小林繁さん。先年、二人で競演した
CMが話題になり、二人は和解したかのように伝えられたが・・・。

いつかは、何かに書いてみようと思って、とても気になっていた。
その小林繁さんが、亡くなったとのこと。57歳だって、早すぎじゃ
ないかな。

今は、サラリーマンではないので、突然の転勤もないし職場が
変わるなんてこともないけれど、若い頃は、14ヶ月で異動が普通の
会社にいたので、仕事場が変わることは少しは理解できた。

そのたびに、小林さんのことを思ったりもした。また、転職し自分の
本当にやりたい仕事を探しているときは、江川さんの気持ちも理解
できたような気がした。

ともかく、二十歳になったばかりの僕には、衝撃的な出来事だった。
次の年、小林さんは最多勝などを取り、阪神でもエースの活躍。
31歳の若さで引退し、解説なんかやってた。

一方、江川さんは、巨人でエースの活躍。やはり9年の現役生活で、
早めに引退し、現在のスポーツコメンテーターみたいなことをしてる。
どうですかね。人の人生は本当に分からない。

その頃は、小林さんは悲劇のヒーローで、江川さんはヒール役。
でも、僕にはかっこいい小林さんも好きだったけれど、大学の先輩
でもある耳のでかい人もけして嫌いじゃなかった。

人生の節目に色々なことがあるけれど、二人のことは今後も気になるに
違いない。

小林繁さんのご冥福をお祈りします。
合掌。
タグ:去就
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銭形平次 [小説]

今日は、一日休みをもらった。うだうだと一日過ごすのももったいない。
夕方から、近くの健康センターに行く。
久しぶりで、内装も雰囲気もお風呂も少し変わった様子。

ゆっくりとお風呂に入る。露天風呂でつい、鼻歌が出る。
「男だったら 一つにかける・・・」っとご存知、大川橋蔵さん主演のテレビ
ドラマのオープニングテーマソング。

『銭形平次捕物控』(ぜにがたへいじとりものひかえ)は、野村胡堂による
小説、またはこの小説を基にした映画、テレビ時代劇、舞台作品。なお、
映画、テレビ時代劇、舞台作品ではタイトルを『銭形平次』とするものもある。

神田明神下に住む岡っ引の平次(通称:銭形平次)が、子分の八五郎
(通称:ガラッ八)と共に卓越した推理力と寛永通宝による「投げ銭」を駆使し、
事件を鮮やかに解決していく。

1時間枠のTVドラマとしては、888話はギネス記録。もともと、大川橋蔵さんは
映画スターだったが、実に20年も平次を演じ、シリーズ終了後、まもなく他界
されている。子供の頃、祖母は毎週水曜日8時の、この番組を見ていた。

随分、影響されたところもあった。平次は十手を持っていたが、家の納屋にも
十手があって、それで遊んで叱られたりした。祖父の遺品の一つだった。
まだ、江戸時代の影響が強い、明治の警察官は十手を持っていたのだ。

おじいさんの十手には、朱色の房が付いていた。少しオレンジかかっていたけれど。
十手は捕吏のシンボルでもあったのだけれど、平次たちの持つ十手には房が無い
はずと、祖母が言っていた。目明しは正規の役人ではないので、八丁堀の同心から
レプリカを渡されていたのだと。

おじいさんの持ち物は、その他に日本刀の大小と、サーベル式の剣もあった。
たぶん、小刀の方だけれど、七夕かなにかで竹を切る時に、家から持ち出して
観音様の隣の竹林で使ったら、ものすごく切れ味がよかった。

鉈とかジャクナイフ式の刃物しか、使ったことはないけれど、全然違うのだ。
使った後に手入れなんかしないで、元の場所にしまったのだけれど、あれから
どうなったかな?もう、古い納屋は取り壊したし、どこに行ったのか???

子供のときに、刃物の恐ろしさというか、本物の切れ味など体験すると、むやみに
人に刃物を向けるようにはならないと思うんだけれど。
娘に胸を刺された、父親はどんな思いだったのだろうか?

昔、読んだ漫画か本に、子供が出来ない夫婦に、子供をやっと授かったのだけれど
今で言う家庭内暴力で、15年後に殺されるという内容のものがあったのだけれど、
それは、現実には起きないことだ思っていたのに。

その時の作者は、どんな風に現代を見ているのかな?本当に幸せっていうことは
どういうことなんだろうか?

災害はつらいね [小説]

災害はつらいね。
昨日の朝、うちの社長と話している時、すごい横揺れ。
地震です。まだ、デイサービスの送迎車が出る前で
職員はほとんどが、出勤していたから影響はなかった。

すぐに、テレビをつけると、東北地方で震度6強!
これは、すごいことになったと思った。中国の地震があった時
対岸の火事ではないと、このブログにも書かせてもらったけど、
被災した方には、忠心よりお見舞い申し上げます。

今日の段階で9人の死者と15人ほどの重軽傷者が出ているらしい。
チャラチャラとプログなど書いている場合ではないのだけど。
一応、日記だし記録にもなるので良いか。

さて、今日は一日家で過ごした。半分はテレビを見て半分は寝ていたような
感じ。午後2時から、掃除機をかけて床もモップをかけて、外の掃除も少しする。
昨日、除草剤をまいたので雑草の様子を観察する。効いてないかも?
だけど、芝生専用の除草剤は値段も高いだけあって良く効いているようです。

その後は、また、テレビを見たりうとうとしたりして、夕方からケント君と散歩。
同級生のコウイチ君の家の前を通ると、ご夫妻でやはり庭の手入れをされて
いた。敷地が広いので大変そうだった。ケント君はここでも人気者です。

コウイチ君が「お手!」とやったら、左の前足を出していた。誰か教えたのかな?
この前まではできなかったのに???
薄暗くなったので、家に帰る。

ケーブルテレビで「鬼平犯科帳」を再放送している。今日は何度目かの放送を
見た。何度見ても飽きない。家内は、「なんで同じ物を何度も見れるのか分からない」
といつも言う。そして、必ず「お父さんもそうだったけどね」と付け加える。

彼女のお父さんから、文庫だけど鬼平の全シリーズをもらって、これも何度も読む。
今は、デイサービスに持ってったので、ここには無いけど、「お楽しみ読本」や「鬼平を極める」
なんて本がある。文芸春秋社のお楽しみ読本は、巻頭が尾崎秀樹さん。

鬼平こと長谷川平蔵は実在の人物だが、詳細は分からないことも多く、その辺が
小説にはもってこいなのかもしれない。作家池波正太郎さんの想像というか創作
がかなりの部分はある。

平蔵は、火盗改めには松平定信が老中首座の時に、本役に任ぜられている。
天明の大飢饉には加役だったが、その時の働きが認められた形だ。
災害時には、普通の警察機構では対応できず臨時に設けられたが、彼は、
2度も勤めを果たしている。

ところで、天明の大飢饉もそうだったけれど、東北地方には周期的に冷害や
地震の被害が多い。1978年の宮城県沖地震は僕にとって、記憶に生々しさが
残る。当時、仙台の蒲鉾屋さんの娘さんと文通していた。

大学生だった彼女は、実家から学校に通わずアパートに住んでいたのだったが
その、アパートのコンクリート塀が崩れた。幸い怪我人は出なかったかけれど、
親から強制的に実家に帰れとの命令で、引越しをすることになる。

止せばいいのに、それを手伝いに行ったのだった。だいたい、仙台まで遠いよ。
しかも、バイクだよ。アパートの階段もとっても急で、19歳か20歳だったけど
ほんとに疲れた。帰りはもっと疲れた。

地震が多い国です。みなさんも用心しましょう。

時の過ぎ行くままに [小説]

「カサブランカ」という映画をご存知だろうか?

ハンフリー・ボガート通称ボギーとイングリッド・バークマン主演のメロドラマ。
映画は、当時第二次世界大戦において劣勢であったアメリカ国民を鼓舞し、
同時に反ドイツ勢力の1つであった自由フランスへの支援を呼びかけるため
の国策プロパガンダ映画であるが、その出来のよさからボガートの代表作の
一つとなった。

ボギーは気障で格好良かった。男は見栄を張らなきゃ男とは言えない。
別れた女にも命を懸ける。もんろん、随分と古い映画だ。
ボギーも私の生まれる2年前に亡くなっている。

映画の中に流れるピアノの曲名が「時の過ぎ行くままに」(As Time goes by)
リックとかつての恋人が蜜月を過ごした頃に、よく流れた名曲。
再会の時、友人サムは突然にピアノを引き始める。

今日は、妻といつものカラオケスナックに行く。10時解散の予定が今になった。

沢田研二さんが主演したドラマの「悪魔のようなあいつ」の主題歌 を阿久さんは
同名の作品として1975年に発表した。原作も阿久悠。
ドラマの内容は、三億円事件の時効寸前を描き、アウトローな主役をジュリーが
好演していた。僕は高校2年生で大人の映画だと思って見ていた。

カラオケで、今日はこの歌を歌ってみた。けっこういけたかな????

今でも、昭和44年12月10日府中刑務所前でのこの大事件というか怪事件を
モチーフにした作品は多いが、たぶん、当時としてはとても斬新な企画だったと
思う。演出は久世さん、沢田さんは連ドラ初主演だし岸部修三(現、一徳)さんの
チンピラやくざも面白かった。

ジュリーは毎年、正月公演を有楽町の日劇で行っていた。19歳の時、たまたま
公演を見て、とても良かったと思った。当時のファションリダーだったし、とにかく
かっこいいって感じ。

かつての日劇も、今は姿を消して時代とともに変わって行く。

まさに、「時の過ぎ行くままに」なのだ。

日曜日なのに [小説]

日曜日なのになんて忙しい一日なのか?
親戚に葬式ができた。先日亡くなった従兄弟の親つまり叔父の通夜。
前日から次兄が何度も電話してきて、打ち合わせ。

たぶんにこの叔父さんの葬式には、自分的に疑義を感じずにはいられず
次兄の言う香典や花輪は出したけど、それほどの付き合いか?
どうも、親戚の付き合いは難しい。確かに叔母さんにも従兄弟の嫁さんや子供達にも
度重なる不幸に哀悼の念と愁傷の気持ちはあるが、どうでしょう?

以前にもここにも書いたが、実の父親とは言葉も交わしたことも無い。亡くなった時に
従兄弟に葬式を出して頂いた。従兄弟には感謝している。しかし、この叔父さんとも
私は親しく話したことはない。入院していた病院に担当の方がいて、ついでに看護師
さん達にお世話になっていることを述べたが、本人は何も分からない。

当たり前です。95歳になっているし、私を甥っ子と認識したことはないのだから。
叔母さんや叔母さんの兄弟姉妹は、姻戚関係が重なっているので、親しく話すこと
はあるが、一定の距離を保っているつもりだし、やっぱり流れかなここ一連の・・・。

帰ってきて、家内を迎えに行き買い物して家に着く。ご飯を食べて、テレビで映画を見る。
「地下鉄(メトロ)に乗って」浅田次郎原作。2006年の映画。
原作は、随分前に読んだ。確か2000年頃には舞台化もされている。

僕達の世代から10年くらい前の世代つまり、団塊の世代には一層懐かしい作品だろう。
僕も東京オリンピックの思い出は少しあるが、昭和39年の世相は描けない。
まあ、作品の中では、どんどん古い時代にタイムスリップするわけで、それは創作的に
できないこともないが・・・。

浅田さんは異色の作家です。鉄道員(ぽっぽや)や最近では輪違屋糸里なども映像化され
一般にも知られる人ですが、極道の世界や勝負の世界などにも作品を残していて、本人も
準構成員と語っている。作家はいろんな商売をしたほうが面白いことが書けるからいいか。

奥さんは途中から見たから良くわかんないと言っていた。確かに、みちこさんの描き方が
この映画では少ない。5年間も不倫関係にあることや母親のお時と同じ生き方をしている
ことへの思いと不満など、女の幸せや不幸は描き方が難しい。

だいたい、小説を映像化して原作を超える作品は少ない。しかし、今の作家は映像ありき
で、特に原作がマンガの時には映像も作りやすい。CGも使えるしね。
つかこうへいさんの「蒲田行進曲」なんかは原作より舞台よりも映画のほうがいいね。

さて、思い出日記を書こうとしたが、もう午前3時になるので、明日にしようっと。

映画って、やっぱりいいですねぇー!水野さんってまだ生きてる?


タグ:東京メトロ

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